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YES通信 2018年6月号 VOL60(糸島学習塾YESより大切なあなたへお届けします)

学ぶ力と伸びる力の源はなんでしょうか?

先月ご案内していましたとおり、6月から速聴読という読書教室を試験的に始めました。生徒たちは元気に取り組んでくれています。私達が予想していた以上に集中して取り組めるみたいで、みんな頑張っているので、とても嬉しく思っています。そのメソッドの開発者である明聖塾の太田先生から「学ぶ力と伸びる力」という本に語彙力と学力の関係が書かれているということを教えていただきました。その表が下の表になります。
語彙数は学力との相関関係がとても高いことが証明されているのですが、小学校に入学する段階で知悉語彙数(意味がわかっている上で使える語彙数のこと)が成績上位の子どもが7000語であるのに対し、成績下位の子は2000語となっています。そして、これらの子供たちが小学6年生になると成績上位の子供は37000語に増えるのに対して、成績下位の子供は8000語までしか増えません。年換算の増加語彙数は上位層が5000語/年であるのに対して、下位の子供は1000語/年ということになります。

なぜ、こんなに差がつくのでしょうか?まずは小学校入学時の差について考えてみましょう。

どの幼稚園や保育園でも、先生たちは園児に対してことさらことばの使い分けはしていません。どの子にも同じような言葉をかけています。また、幼児の読み物には、そんなに難しい言葉はのっていません。近所の人もごく普通の言葉を作っています。幼児同士の会話なんて、やさしい言葉ばかりです。となると、入学時の語彙数の開きはどこから来るのでしょうか?それが、両親の言葉遣いの質から来ているそうなのです。

以前のYES通信で「早教育と天才」-木村久一著を紹介し、その本にいかに幼少期に多くの言葉を覚えさせるかで優秀になるかならないかが決まると書きました。なので、小さい子どもに対しても幼児語を教えるのではなく正しい言葉遣いを教えた方が良いことをお伝えしましたが、まさにこの本にも同じようなことが書かれています。やはり言葉というのは大事なのです。
小学校に入ってからの増加語彙数の差は明らかに読書量の差なのです。語彙数の多い子どもは本が読めるからどんどん語彙数が増えていき、語彙数の少ない子どもは本を読まないから語彙数が増えないのです。ある意味、小さいうちに本を読む習慣をつけられるかどうかが学力を上げるカギになるのです。

また、子どもが言葉を習得する上で一番妨げになるのがテレビです。できる子ほどテレビを見る時間が短いそうです。テレビから言葉を覚えそうな気もしますが、テレビは映像が入るので、映像のイメージが強すぎて言葉を覚えないのだそうです。

そして、この本には「早くしなさい」「ぐずぐずしないで」等のシンプルセンテンスの言葉ばかりが飛び交う家庭では、文章の構造である主語・述語・順接・逆説等を理解する基本能力が育たないとも書いてあります。

言語能力の高い子どもは①今日は日曜②動物園に行きたい③天気が良い④父親と遊びたいという単文から「お父さん、今日は日曜で天気が良いから、動物園に連れて行って」と複文構造的に言えるのですが、それが全く言えないのです。最近では「トイレ」「水」等結構高学年でも単語でしゃべる子どもが多いのも気になります。大人である私たちが綺麗な言葉を使うことが大切なのですね。

「わかること」と「できること」

この仕事に13年携わってきって、なんで勉強が嫌いな人が出てくるのかをずーっと考えてきました。自分も今でこそ勉強することが楽しくはなってきているものの学生の頃は勉強がそんなに好きではありませんでした。それを勉強は大事なことだからとある意味、夢や目標を実現させるための手段として割り切って頑張ってきました。

しかし、最近になってそろばんや速聴読などで小さい子どもの学びに関わるにつれ、人間というのは本能的に学ぶことが好きなのではないかと考えるようになりました。すると勉強があまり好きではなかった自分も小さい頃に読んでいた昆虫図鑑や動物の図鑑は大好きだったし、実験や物を作ったりするのも大好きで、算数も最初は好きではなかったのですが、小学校4年生ぐらいからわかるようになってきたらどんどん好きになったことを思い出しました。

そして、最近になって一番感じることは、「わかること」は楽しいことであるが、「できること」には苦行がともなうということです。
大人も子供もそうですが「なるほど~そうだったのか」と新しい知識や価値のある情を得た時は、とても嬉しく楽しいものです。それが自分の知りたいことであったならば、時間を忘れて取り組むことでしょう。

しかし、それが出来るようになるためには繰り返しの練習が必要になったり、習慣化が必要であったりととても苦しい修行が必要になるのです。子供であれば漢字の書き取りであったり、計算練習であったりですし、大人であればダイエットのための食習慣の改善であったり、体質改善のための筋トレであるわけです。
私は今年筋トレに挑戦しています。筋肉で体重3キロアップを目標に頑張っている最中です。本を読んで勉強すると、筋肉をつけると健康面だけではなくビジネス等あらゆるメリットがあることがわかりとてもワクワクしてきます。そして効率のよいトレーニング法を学ぶことで「さあやるぞ」となるわけですが、いざやってみるとやっぱりきついわけです。最初は勢いがあるのですが時間が経つに従って行く前に憂鬱になったりするわけです。

子どもたちの勉強も「わかること」だけなら楽しいのですが「できる」ようになるためには、何度も何度も繰り返し退屈になったり、出来ない自分に腹が立ったりしてどんどん面白くなくなっていくのです。

大人が主体的にやっている学びは自分でそのさじ加減を調整できるのですが、学校では「わかる」と「できる」の匙加減を自分で調整することはできません。今の学校教育では「できる」に焦点が当たり過ぎているような気がしてなりません。もっと「わかること」に焦点を当てて楽しく学習できるようにしていきたいと考えています。

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この本は友人が、全国から人が集まる本屋さんの社長で本のソムリエと呼ばれている清水克衛氏のセミナーに参加して、その場で即買いした本をお借りしました。

著者の福原義春氏は資生堂の元社長で今も名誉会長をなさっておいでの方です。

副タイトルの「仕事も人生も読む本で大きく変わる」に惹かれる方も多いのではないでしょうか?帯には「良書に出会えば何者にでもなれる」と書いてあり、私はすぐに読んでみたいと思いましたし、多くの人に読んでもらいたいと思いました。福原氏は戦時中、疎開先で学校にも行けずただひたすら本を読み続けたそうです。

資生堂の創業者一族は、読書を大切にしていたからこそ東京から疎開先の長野県まで、幼い福原氏のために移動できる限りの本を持って行かれたのだそうです。その甲斐あって本から学んだことが、福原氏の人生を切り開いていきました。

福原氏は社長に就任して自分の経営に対する思いを自分の言葉ではなく、「木を植えた人」という一冊の本に託し世界中の社員に送りました。反応がとても怖かったらしいのですが、国境を越えてフランスをはじめとする世界の社員から賞賛の声が届いたそうです。

いろんなエピソードとともに厳選の15冊が紹介されるとともに、本のソムリエの清水店長も仰っているのですが、新書ばかりではなく古典を読むことの大切さが伝わってくる本ですので一読の価値があります。