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YES通信 2018年4月号 VOL58(糸島学習塾YESより大切なあなたへお届けします)

大学入試改革の前に大学受験に異変が起きています!

2月のYES通信で大学受験改革について書きましたが、2020年の大学受験改革の施行前にもっと大きな問題が急浮上してきました。
なんと私立大学の難易度が急上昇しているのです。B判定だった生徒が不合格になるような事態がざらに起きているのです。
その理由は、大学の合格人数がどんどん減らされてきているからなのです。なぜ減ってきているでしょうか?それは国の財政悪化により、大学への補助金が減ってきているからなのです。
もともと、私立大学には国から補助金が出ています。その補助金ですが、昔はほぼ全員分出ていました。なんと1973年度は定員の7倍までは出るようになっていたそうです。定員が1000人の場合は7000人まで補助金が出ていたそうです。これはこれで問題ありとは思うのですが、現実にこんなに補助金が出せていたわけです。
しかし、これが2013年度には収容定員8000人以上の大規模大学では1.20倍それ以外の大学では1.30倍まで引き下げられました。この基準が16年からさらに引き下げられ、18年度には「大規模大学は1.10倍、収容定員が4000人から8000人の中規模大学は1.2倍と定められました。大規模大学の場合、昨年は1.17倍、今年は1.14倍、と門戸は着実に狭くなっています。
これだけではわからないという方のためにもっとわかりやすく書くと、私立大学の場合、国立大学や上位の私立大学の滑り止めにされることもあり定員よりも多めに合格を出します。定員割れは経営を大きく圧迫するために絶対避けなければならないのです。今までは、多めに合格者を出してもすべて補助金が出ていた(7倍まで出ていたわけですからほぼ無限)のである意味10000名の大学であれば1000名の体制なのに13000人の合格者を出せばある意味ぼろもうけでした。しかし、それが大学間の格差を生み上位校はぼろ儲け、下位校は定員割れを起こしていたのです。
今年の場合は1.14倍なので13000人の合格者を出すと1600人分の補助金が貰えなくなってしまうのでなるべく11400人で抑えなければならなくなってきたというわけなのです。
例年より合格者数が減るわけですから、必然的に合格は難しくなっているのです。ちなみに一例ですが、早稲田大と法政大が前年より2000人以上も合格者を減らしたほか、立教大は1500人以上、青山学院大は1400人以上、明治大は約1300人減らしていました。そのしわ寄せは当然、福岡の福岡大学や西南大学にも現れてきていますので、今年はどこの高校も大苦戦だったようです。もうすでにここ数年、補助金カットの影響は少しずつ出てきていたのですが顕著に出てきたと言った方が良いかもしれませんが、来年はさらに顕著になりそうです。正直、国の政策で受験生に影響が出るのは見ていて本当に忍びないです。
また、これに関連して補欠合格がやたらと増えてきています。大学側は、定員割れは絶対に避けねばなりません。しかし、補助金が貰えなくなるのも困るわけです。なので、ある程度の合格者を推薦で確保して、残りを一般受験で調整する。というのが今までのスタイルでした。それが、推薦が賛否両論ある中でも広がっていった背景でもあるのです。
しかし、ここまで補助金の枠が狭められると、それだけでは全く対応が出来なくなってきているので、合格者を絞り込んで、少なめに合格者を出し、最後に調整というのがかなり増えてきているのではないでしょうか?よって、最後まであきらめずに試験を受けた方が有利になってきていますし、その結果、補欠合格も格段に増えてきています。
うちの生徒も福大に不合格だったのですが、最後の最後で合格の連絡が来たようです。しかし、大本命ならまだしももうすでに寮の確保に動いている時で、気持ちは全く動かなかったようです。このようなことでは単なる人数合わせになっていて気がかりですが、本命ならば最後まで受験すると合格の可能性が高まりますので必ず最後まで受験すべきです。

早期英語教育の弊害について

英語が小学校で本格的に導入され始めていていまや英語がブームになってきています。YESでも英語に力を入れていますが早期英語教育には注意が必要だと思っています。
結論から言わせていただくとやはり母語である国語の能力が一番大事だということです。学ぶことは国語以外にも算数や数学、理科、社会等々ありますし、最近ではプログラミングという科目まで出来ていますが、その土台は母語である国語の能力だということをしっかりと持っておくことが重要だと思うのです。決して他の科目を軽視しているわけではありません。
論理的な言葉遣いがしっかりと出来て、物事を論理的に相手に伝える能力、自分の考えを論理的に組み立てられる能力が求められるのです。
英語や数学やプログラミングはツールなのではないかと思うのです。英語や数学やプログラミングで得た情報をきっちりと論理的に相手に伝える能力が重要なのだろうと考えています。
以前、英検一級を持っているのになかなか採用してもらえないという人が、塾講師の面接に来たことがあります。あいにく社員は募集していないとお断りさせていただいたのですが、英語だけが流暢でもそこに専門性や論理構築能力がなければ仕事ではなかなかそれだけでは使えないのです。
ある意味、日本語もただ喋れるだけでは何の役にも立たないのとある意味似ているのではないでしょうか?
なので、英語を早く学びたいのであればそれ以上に国語の勉強もする必要性があるのではないかと考えています。決して英語ばっかりとかプログラミングばっかりだけにはなって欲しくないと思っています。
よく「読み書きそろばん」と言いますが、「そろばん読み書き」とは言いません、これは単に語呂が悪いとかではなく、ここにもしっかりとした意味があるのではないと感じています。そろばんを習っている子供たちもやはり読み書きという国語の大事さを意識して欲しいと思っています。
また、母語は人格や国民性を形成していきます。「泥棒が入った」という言葉から、泥棒に入られたらすべて泥棒が悪いと考える国民性がある半面、日本人は泥棒に入られた隙を作った自分も悪いと考える国民性を持っています。
震災の時に並んで配給を待つ姿が外国人から賞賛を受けましたが、そのような国民性は母語である国語から生まれるとも言われています。
私も正直国語には苦手意識しかありませんでしたが、やはり出来る人は国語力が高いなあとこの年になって改めて痛感しているしだいです。自分の感情表現さえも自分の語彙力の範囲でしか表現しえないのです。国語力って奥が深いです。

書籍紹介   いちばんやさしい地政学の本   沢辺有司著

 

 

地政学を知ったのは恥ずかしながら2、3年前のことで、しかもYESの卒業生から教えてもらいました。彼は今年から西南高校の社会の先生になるのですが、彼の夢は「地政学をみんなが知っている世の中にしたい」ということです。地政学とは、地図をもとに政治や軍事を考えていく学問です。軍事理論でもあるため、戦後の日本はGHQの命令で学べなくなってしまいました。なぜ、北朝鮮情勢はいつも不安定なのか?日本と韓国はなぜ仲が悪いのか?等、地政学を学べばその理由は自ずとわかってきます。当然、世界では常識的な学問なので、実際に学んでいない日本のほうがおかしいくらいの学問です。ある意味、日本の外交官や政治家はすべて地政学についてのエキスパートでなければいけないとも感じています。いちばんやさしいと書いてあるとおり、とてもわかりやすく書いてあるので、入門書には最適です。いま世界のあちこちでテロや紛争が起き、EU離脱や地域の独立運動、国家併合、大量難民流入など、シビアな問題が次々と起きています。このような最近のニュースに取り上げられた事例が多く書いてあるのも読みやすい理由です。地理や歴史が好きな人はもとより、嫌いな人でも他国との関係を自分事として捉えられる本なのです。彼が目指す「地政学をみんなが知っている世の中にしたい」という夢が実現されることを楽しみにしています。