YES通信Vol.150 2025年11月

糸島学習塾YESより大切なみなさんにお届けします。
やっと糸島にも紅葉の季節がやってきました。
これからも天気が良さそうなので紅葉が楽しみです。
先日、和歌山県の熊野古道から高野山に行く機会がありました。
一足先に紅葉を満喫してきました。

熊野本宮大社

那智大社と那智の滝

本宮町本宮(日本一の大鳥居)



金剛峯寺
こんな山奥にも外人さんが沢山いました。
私達は門司からフェリーで大阪に着き
マイカーで和歌山県を周ったのですが
外人さんはバスや電車を使いかなりの距離を歩いて周っていて
その体力に驚きました(^^)/
今月のYES通信は
1 「読書離れ」が進む日本の子どもたちへ
2 デジタル時代の子どもと学び
3 書籍紹介 ラッコの海を守れ! メアリー・ホープ・オズボーン著
となっています。
「読書離れ」が進む日本の子どもたちへ

先日、講師の九大生が「お母さんから送って来る本が溜まってきたので、何とか時間を作って読まないといけない」と号令で話していました。
その講師は文系の学生です。九州大学の文系と言えば、国語力に関しては全国的にもかなり高いレベルの学生にあたります。そのお母様は子どもが小さい頃から今まで、読んでおいた方が良いという本を案内し、子どももそれを読んでいるという関係性がを羨ましく思いました。素晴らしい教育だと感心しました。
最近の調査によると、小学生の半数以上が「月に1冊も本を読まない」と答えたそうです。これは私たち教育に関わる者にとって、非常に深刻な数字です。読書は単なる趣味や娯楽ではなく、「言葉の力」「考える力」「感じ取る力」を育む、すべての学びの土台だからです。
文字に触れる機会が減るということは、想像力や語彙力の低下だけでなく、「自分の頭で考える」時間の減少にもつながります。スマートフォンや動画、ゲームなど、情報が一瞬で手に入る時代だからこそ、子どもたちは「ゆっくりと考える」「自分のペースで理解する」という力を失いつつあります。
読書には、他者の気持ちを想像する力を育てるという大きな利点もあります。物語の登場人物の気持ちを追体験することで、子どもたちは自然と「共感力」を身につけます。これは、AIやデジタルでは代替できない、人としての大切な力です。社会での人間関係やコミュニケーションの基礎にもなる力です。
また、読書は「国語力」だけでなく、他教科の理解にも深く関わっています。たとえば算数の文章問題を正確に読み取る力、理科の実験説明を理解する力、社会の出来事を背景ごと考える力等、すべては「読解力」に支えられています。つまり読書習慣のある子どもほど、学力全体が底上げされる傾向にあります。
一方で、現代の子どもたちに「本を読みなさい」と言うだけでは、なかなか行動にはつながりません。本に触れる「きっかけ」と「環境」を整えることが大切です。たとえば、親子で一緒に図書館へ行く、寝る前に10分だけ読書タイムを作る、親御さんが自分の読書体験を語って聞かせる。それだけでも子どもたちの心に「本って楽しそう」と感じる瞬間が生まれます。
また、最近の児童書には、子どもたちの興味を引くテーマやビジュアルが工夫された良書がたくさんあります。昔のように「活字ばかりの本」でなくても構いません。マンガ形式や図鑑、ストーリー性のある科学本など、「読むことの楽しさ」から入っていくのも大切です。大事なのは「読む習慣」をつけることです。
私たちの塾でも、読書を通じて子どもたちの「言葉の力」を伸ばしていく取り組みを進めています。読書は一朝一夕では身につきませんが、毎日の積み重ねが、やがて子どもたちの表現力・思考力・集中力へとつながります。
学力の差は「読書量の差」と言われるほどです。塾での学びとともに、ご家庭でもぜひ「本と出会う時間」を意識的に作っていただけたらと思います。
今の日本の子どもたちが「本を読まなくなった」という現実は、社会全体にとっての危機でもあります。しかし、だからこそ私たち大人が「読書の楽しさ」を伝え直すチャンスでもあります。本は、心を育て、未来を開く最高の教材です。
読書は、一番費用対効果の高い投資ともいわれています。子どもたちが再び本を手に取り、自分の言葉で考え、語れるように、一緒に支えていきましょう。
デジタル時代の子どもと学び

ここ数年で、子どもたちの学び方が大きく変化しています。学校ではタブレットやデジタル教材が導入され、宿題もオンラインで提出するのが当たり前の時代になりました。
AIを使って作文を作ったり、問題の解き方を調べたりすることも珍しくありません。私たち大人が経験した「鉛筆とノートの学習」とは、まったく異なる世界を、今の子どもたちは生きています。
もちろん、デジタル化の進展には多くの利点があります。わからないことをすぐに調べられる、映像で理解を深められる、自分のペースで学習できること。これらは学びを助ける大きな力です。
しかし一方で、「自分で考える」「試行錯誤する」機会が減っているという声も多く聞かれます。AIや検索に頼りすぎると、「答えを出すまでの過程」を経験しないまま結果だけを受け取ってしまうことがあるからです。
教育の本質は、正解を知ることではなく、「どうしてそうなるのか」を考えることです。その過程で子どもは、自分の考えを言葉にし、他者に伝える力を育みます。
ところがAIが考えてくれる時代では、そこを通らずに「結論だけ」を手に入れてしまうことができます。便利であればあるほど、思考の筋肉が鍛えにくくなってしまうのです。
家庭で出来ることは、こうした便利さと「人の思考」をどうバランスさせるかです。今の時代インプットはネットを活用すれば、いとも簡単に出来てしまいます。そのような時代だからこそアウトプットする機会をいかにつくるのかが重要になります。
AIを使った後に「どこがすごいと思った?」「自分ならどう説明する?」と問いかける。あるいは、調べた内容を親子で話し合い、ノートに手でまとめる。そうした「アナログのひと手間」が、子どもの思考を深めます。
AIの時代に求められるのは、「使いこなす力」だけではありません。AIが出した答えを理解し、取捨選択し、自分の言葉で説明できること。それが本当の学力であり、将来社会で活躍するための力になります。
私たちの塾でも、子どもたちがAIやデジタルに振り回されず、むしろ「自分の考えを整理するツール」として活かせるような指導を意識していきたいと思います。
テクノロジーの進化に負けない“「考える力」を、今こそ育てていきましょう。
書籍紹介 ラッコの海を守れ! メアリー・ホープ・オズボーン著

この本は、世界で1億5,000万部を超える大ベストセラーシリーズ「マジック・ツリーハウス」の最新54巻です。このシリーズは、読者が地理、歴史、科学などの知識を楽しく学べるエンタテインメント学習小説として知られていて、調べ学習や自由研究に最適な本です。
今回の物語は、カリフォルニアの海・モントレー湾を舞台に、絶滅危惧種のラッコと豊かな海藻ケルプ林、生態系の危機、人間の活動が環境に与える影響を、冒険を通じて学ぶ内容となっています。
小学生全学年向けに文字は大きく、漢字にふりがなも付いているので幅広い学年に読んでもらえる本となっています。知識と物語が融合したスタイルで、「読む」ことが学びになる構成になっています。
学びになる本というと面白くない本が多いというイメージがありますが、大人の私が読んでもハラハラドキドキで面白かったので、そこが、このシリーズがこんなにも長く続いている理由なのだと感じました。
この本では特に環境問題や生物多様性など、社会的テーマへの興味を喚起できる内容になっていました。本の最後に、調べ学習・自由研究のための探検ガイドというのが書かれています。
これが、学習上とても良い働きをすると思いますので、調べ学習や自由研究の際に活用されると良いと思いました。
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